【書評】諦める力|諦めることにためらうな

こんにちは、カッヅです。

あなたは今、何かを頑張っているが思うように結果がでない状況でしょうか?

そんな状況で、諦めかけていたり、反対に、そのことに固執してしまっていないでしょうか?

私の身近な友達の例で言うと、医学部に合格するために6年浪人生活をしている人がいました。ネット上では13年浪人生活しているみたいな人も見たことがあります。

もしかしたら、このような人たちに「諦める力」が必要かもしれません。

著者は100メートルを諦め400メートルで勝った

著者は陸上の世界選手権(男子400メートル)で日本人として初のメダル獲得者である。素晴らしい実績をもっているが、もともとは100メートルの選手だった。18歳の時に400メートルへ転向している。

著者は「頑張れば夢は叶う」と信じてトレーニングを続けてきたが、強力なライバルもどんどん増え、世界の選手たちの走りを目の当たりにし、どれだけ努力しても100メートルでトップに立つことは無理かもしれないという限界を感じていたそうだ。

そんな時、顧問の先生からの勧めで100メートルを諦め、400メートルで勝負することにした。当時は、かなりの抵抗感があったようだが、「自分は100メートルを続けることよりも、勝つことを諦めたくない」という気持ちがあることに気付き、400メートルで勝負することを決断できたという。

ちなみに、100メートルは花形種目で人口も多く、勝ち上がるのは大変だが、400メートルはどちらかというとマイナー競技であり、400メートルであればずっと楽にメダルが取れそうと感じたらしい。

著者は100メートルを諦める際に、100メートルを続けてメダルが取れないよりも、400メートルでメダルを取った人間のほうが価値があると考えたらしい。

あなたはどちらの人間の方が価値があると思いますか?

医者になりたいの?人を助けたいの?

冒頭に出した医学部を受験する浪人生の例で考えてみると、まず、何回も浪人している人は自分が本当に医者になりたいのか?それとも医療に携わって、少しでも多くの人を助けたいと考えているのかを一度深く考えてみるといいと思う。(他の理由もあるかもしれないが)

もし、少しでも多くの人を助けたいという思いが根底にあるのであれば、医者でなくても看護師や薬剤師、製薬会社に勤めることでも目的は達成できる。考えようによってはドラッグストアのアルバイトでもいいかもしれない。

医学部に進学することを「諦めて」、別の手段で自分の目標を達成することを一度は考えてみても良いのではないかと思う。

やればできるという呪いの言葉

今までに親や先生から「やればできる子」と励まされたり、褒められたりした経験はないでしょうか?私はあります。

この言葉を言われても正直そんなに嬉しくなかったので、当時は聞き流していましたが、この本を読んでなぜ嬉しくなかったのか改めて考えてみました。

励ましの意味で言われている場合は、「(現状あなたは全くできていないけど)やればできるよ!」と今の自分を否定されているように聞こえます。

「やればできるじゃ〜ん」と褒める感じで言われれば、「やったのは自分なのに、なんでこんな上から目線から褒められているんだ」と思った時もありました。

ちなみに、「やればできる」を裏返すと「できていないなら何もやっていない、努力が足りない」みたいな意味になるんですかね?

自分がやりたくなくて、諦めてしまいたいならそれでもいいじゃないですが。

普段から言われていれば、何かの理由で期待する結果がでなかった時に、「結果が出せなかった自分は無価値な人間だ」と思ってしまう気がします。

何かをやらないこと、諦めることに対して世の中ネガティヴすぎる気がします。

諦めて試合終了させてもいいじゃん、次の試合にいこう

「諦めたらそこで試合終了」っていう有名な言葉ありますよね。

「途中で諦めなかったからできた」という言葉を、金メダリストのインタビューでよく聞く気がします。この言葉に嘘はないと思いますが、再現性低すぎな気がします。諦めなかったから金メダルが取れた人は世の中に何人いるのでしょうか。

しかも、この言葉無責任すぎる言葉だと思います。

著者のような世界大会に出るような選手に対しては、自分も知らない人から「諦めずに頑張れ!」と応援してくれる人も多くいたそうです。でも、著者が引退しても手を差し伸べてくれる人はいません。著者はそのことを身をもって体験したようです。

他人は前向きなことも、後ろ向きなことも好き勝手に言ってきます。でも、その言葉に従って行動しても誰も何も責任は取ってくれません。諦めずに頑張った末に結果がでなくても何も助けてはくれません。

諦めたい、辞めたいことがあるなら、もう自分で試合終了させて、次の試合を始めたらいい。他人の無責任な言葉に耳を傾けすぎないほうがいい。

それに諦めることは、今まで取り組んでいたことを「やめる」ことを「選ぶ」だけであって、「逃げる」ことではない。

「せっかくここまでやったから」から逃れる

何かを諦める時、それは長年継続してきて、ある程度実績があることだったりしないだろうか。

浪人生を例に出すと、何年も受験勉強をしてきて、模試でもそこそこの結果を出している、みたいな状況ですね。

そして、志望校を受験した結果不合格になってしまった時に、「今までこんなに勉強してきたんだから、今諦めてしまってはもったいない。あと一年頑張れば次こそは合格できるだろう」と思ってしまう人も多いのではないだろうか。

「もったいない気もするけど、別の大学に進学するのでもいいか…」と思っていても、周りからあと一年頑張ろうと言われれば、もう一年浪人生活を選ぶ人も少なくないと思う。

「せっかくここまでやったから、もう少し諦めずに頑張ってみよう」みたいに言われると、みんな多少なりとも感じていることだと思うので、なびいてしまいがちだ。

でも、ずっとこんなことを続けていたらやめ時を見失ってしまう。心のどこかで合格しないとわかっていても、「諦めなければ可能性はある」と言い聞かせて続けていたら、引き返せない年齢になっていたりしないだろうか。

「せっかくここまでやったから」という考えからは、どこかで折り合いを付けないといけないタイミングがくる。