こんにちは、カッヅです。
大学院生ってどんな生活してるか謎じゃないですか?よく友達に「大学院生って何してるの?」と聞かれました。
そもそも周りに大学院生いないよって人とか、いたとしても話す機会ってあまりないと思います。
今回はそんな大学院生の生態について書いていきます。
本題に入る前に…
色々と書く前に….大学院生ってすごい忙しい!!!!!!!!(当時を思い出していっぱい”!”をつけてしまった)
もうひたすら研究してるって感じです。研究者への道は険しいなあと感じました。
自己紹介から
地方国立大→旧帝大院を修了
専攻は理学部(地学)→地球化学
私は大学と大学院で違う大学へ入学しています。大学で勉強しているうちに、研究してみたい分野ができたのですが、それが某地方国立大ではできなかった…(その分野の研究をしている教授がいなかった…)
ということで、他大学へ飛び出しました。そのため、大学生時代と大学院生時代で少し分野が違う勉強をしました。
大学院修了までの道のり
研究テーマを決める
まずは研究テーマを決めます。
研究テーマ決めはかなり重要です。テーマによっては、簡単な実験だけでバンバン成果を出せますが、そもそも結論を出すのが難しいテーマを選ぶと地獄を見ます。適当に研究テーマを決めてしまうと、実は外国の偉い教授が既に結論出してました、みたいなことになるかもしれません。
私が進学した大学院では、担当の教授がいくつかテーマを用意していて、そこからテーマを選んで研究を始めました。
ただ、私の場合は研究している間に「この研究を進めていても修論が書けるほどの結果を出せそうにないな…」となり、入学して半年経ったくらいで研究テーマを変えました。
大学時代と同じ大学の大学院へ進学した人は、おそらく指導してくれる教授も変わらず、研究テーマも変わらないので楽かもしれないですね。
ひたすら研究する
研究テーマが決まったらひたすら研究します。具体的には…
- 〇〇を測定したら△△が分かるのではないかと仮説を立てる
- 検証するために測定方法を考える
- 教授に仮説と測定方法を説明してアドバイスをもらう
- 実際に測定する
- 測定結果が何を表しているのか考察する
というようなプロセスをひたすら繰り返します。
ここで出てくる測定結果は大体何を表しているか意味がわからないです。考察が地獄です。
ちなみに、ある成分を分析するために数日かかることや、自分で測定方法を考えたりしないといけないこともあります。正直大変なのですが、まだ誰も測定したことのないものを自分が世界で初めて測定しているという実感もあり、科学の最先端を進んでいる気分に浸れます。(実際最先端です。)
余談ですが、理系大学院に行くといわゆる”実験系”か”理論系”のどちらかの研究スタイルになると思います。私は”実験系”の研究室だったので、いろんなものを測定したり、野外調査に行ってみたり、自分で実験方法を考えてみたりと、いろんなことをしました。
一方で、”理論系”の人たちはひたすらパソコンに向かっている感じです。複雑な計算をスーパーコンピューターにさせて、地震が発生した時の被害をシミュレーションしてみたり、天気を予想してみたりしているようです。
これから大学院の進学を考えている人は”実験系”か”理論系”どちらが自分に合っているかも考えた方がいいかもです。
学会で発表する
たくさん研究を行い、成果が出てきたらそれを”学会”という場で発表します。学会は、ある分野を研究している人(他大学の教授や国立の研究所の人など)が集まり、年に一回自分の研究の成果を発表する場という感じです。
ガチの専門家の人たちの前で自分の研究成果を発表するというのはめっちゃ緊張します。容赦無く鋭い質問をぶつけてくる人もいて、死にそうな顔をしている大学院生もたくさんいます。
私は人前で話すとか苦手なので、発表の練習もかなりして、発表に使うスライドも担当の教授に10回以上ダメ出しを受けつつなんとか発表を乗り越えました….つよくなれました….
ちなみに研究室によっては、学会で発表しないと卒業させてもらえないとかあります。ゆるい研究室だと学会に見学に行くくらいでOKだったりします。
余談ですが、すごい有名な教授も普通にいたりするので、サインもらっている人とかもいました。「この人テレビで見たことある!」みたいな人もいたりします。
修論を書く
さてさて、2年間の研究活動の中でちゃんと成果を出して、学会での発表も乗り越えたらあとは修士論文を書くだけです….といってもこれがしんどい….
2年間の研究でみんなに認められる成果が出せていればいいのですが、出せないこともしばしば…私は途中で研究テーマを変えたので2年間フルで研究できてないしギリギリまで追い詰められていました。
最後は2日間徹夜してなんとか提出することができました。人生で48時間以上起きていたのはこの時だけです。
ちなみに優秀な同期は、提出期限の何日も前に修論を書き上げ、余裕で提出していました。私もそうなりたかった….
一応ですが、大学によっては修論全て英語で書く必要があったりします。私はアブストラクト(論文の要約)だけを英訳して提出すれば良かったので、楽な方だったのかもしれません。
(余談)就活について
そもそも研究がハードなのに、そこにプラスで就活もするとかやばいですね。
旧帝大院だからか、書類選考で落とされることはなかったです。面接では何回か落ちましたが。
研究に気を取られて就活の準備があまりできていなかったのが原因ですね。もっとちゃんと準備していけばもっと内定をいっぱい取れた気がします。
そもそも働きたい会社もなかったので、就活に本気に慣れなかったのかもしれないです。
ちなみに、工学系の大学院だと、どこかの企業と共同研究してる繋がりとか、教授のコネで大企業に簡単に就職が決まるなんて話をよく聞きます。
でも私がいた理学系は、そんなことはありません。工学部と違って、研究結果がすぐに製品化されて社会に価値を還元できるものではありません。企業とのコネクションもなければ、教授も「研究さえしていればいい」みたいな人が多くて、そもそも学生が就活するのに嫌悪感を示す人もいるらしい…
最後に
いかがでしたでしょうか。大学院はとってもハードですが、人生でこんなに研究に熱中できることは一生ないと思いますし、普段生活している中では絶対に経験できないことも経験でき、私は大学院にいって良かったなと思います。
ちなみに、大学院は”社会人枠”というのがあります。大学を卒業し、一度社会へ出て働いてみたものの、やっぱり研究がしたい!!みたいな人が対象です。私の所属していた研究室にも社会人から大学院生になった人もいます。
人生色々な選択肢があって面白いですね。